栄養素を口からではなく、直接血液へ注入する方法です。
栄養素は、もともと体の中に存在するタンパクやビタミン、ミネラルです。
この点滴療法は海外ではベジタリアンやナチュラル志向の強い方を中心に人気を集めています。
日本ではスポーツ選手、タレントさんを中心に、少しずつ認知され始めているようです。
- 経口摂取よりはるかに高濃度の栄養成分を体内に届けることができます。
経口摂取では、胃液など、様々な消化酵素や臓器、生体膜によって吸収を阻害され、 治療レベルの濃度を体内に届けられません。「体の中で吸収阻害を起こすなら、その分を差し引いた量の、もっと沢山の量を経口摂取すればいいじゃない?」と思われるかもしれません。 たとえば人気のビタミンCをはじめ、多くの栄養素は水溶性であるため、どんなに多量に摂取しても尿として排泄されてしまいます。 まして点滴で注入する量をサプリメントで補うには200倍やそれ以上といわれるほどで、到底追い着く量ではありません。 つまり点滴はサプリメントにくらべ確実性があり、効果を体感しやすいと言えます。 - 食べ物や錠剤はほとんどが炭水化物、糖や脂質からなり、必要な栄養素は意外と少ないのです。 しかし注射の場合は、糖分や炭水化物など余計なものはほとんど入っていませんし、防腐剤もない(あっても少量)なので、自然派と言えるでしょう。
- 患者さまのおひとりおひとりの不定愁訴に合わせて、栄養素の種類や量を調整できるという点です。 点滴前に医師と話し合い、その日の体調も考慮にいれて調合をしていきます。 オリジナルでわがままもきく、そんな治療ができるという点も利点でしょうか。
- 即効性を求める場合も有用です。
注射療法は、栄養治療学に元づいています。
今はストレス社会です。緊張感、不安や疲労感が長引くと、体に慢性的な侵襲がかかり、結果として腸の吸収不良を起こします。 ひとと同じものを食べても、吸収不良によって体は衰弱し、免疫は下がり、体はバランスを崩します。
アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、うつ病、原因不明の不定愁訴などの根本原因は体内の栄養素の過不足から引き起こされたもの、 という考え方が栄養療法の考え方です。栄養は体のバランスを保ち、ホルモンの調整を行い、腸内細菌を整え、心の健康までも支えています。 これらをまずはきちんと補い、体の基盤を整えていくことからのアプローチになります。
つまり、体の基礎を栄養できちんと整えた後、それでも解決しない不定愁訴が残るようなら、はじめて科学的な薬を使用していくものです。 また、特に予防の関点からも重要視されてきており、術後の予後観察、病気予防や日常の健康管理、の補助として利用するのも大変お勧めです。