抗血管新生療法(抗VEGF療法)について

抗血管新生療法は、滲出型加齢黄斑変性症でまず第一におこなわれる治療法です。

血管新生に関わっている血管内皮増殖因子(VEGF)という物質を強力に阻害するお薬を、眼球内に注射投与します。

新生血管の増殖や成長を抑制する治療法になります。

当院では日帰りでの治療をおこなっております。

当院で使用する血管新生阻害薬(抗VEGF薬)と特性の比較

  ルセンティス
(ラニビズマブ)
アイリーア
(アフリベルセプト)
作用発現時間 早い(約1週間) ゆっくり(約2週間)
作用持続期間 短め(約1ヶ月) 長め(約2~3ヶ月)
分子量眼内滞留時間 小(網膜透過性が早い)
短い(副作用は少ない?)
大(網膜透過性が遅い)
長い(副作用が多い?)
妊産婦への投与 投与可能 禁忌
適応疾患
(平成26年3月現在)
AMD、RVO+CME、DME病的近視による脈絡膜新生血管黄斑症 AMD、CRVO+CME病的近視による脈絡膜新生血管黄斑症
現在DMEは未認可

AMD ⇒ 加齢黄斑変性
DME ⇒ 糖尿病黄斑浮腫
RVO+CME ⇒ 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫
CRVO+CME ⇒ 網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫

加齢黄斑変性症と治療

加齢黄斑変性症とは

網膜の中心部分(黄斑)の細胞が、加齢等により変性し機能を失ってくる病気です。

欧米では、中途失明原因疾患の第1位に、日本では、近年増加の一途をたどり、視覚障害者手帳交付者の原因疾患として第4位に上げられています。

主な原因は、加齢や食生活習慣の欧米化といわれています。
喫煙者に多くみられることも報告されています。

加齢黄斑変性のタイプ

脈絡膜から発生する新生血管の有無で滲出型と萎縮型に分類されます。

滲出型

滲出型は、新生血管が発生するタイプで、出血等により網膜が障害されていきます。萎縮型に比べ進行が早く、急激に視力が低下していきます。
新生血管は非常にもろく破れやすいため、出血を起こしたり、血液中の成分がもれたりして急激な視力低下の原因になります。

萎縮型

萎縮型は、網膜(黄斑)の細胞が加齢により変性し、老廃物が蓄積し栄養不足に陥り、その結果徐々に萎縮していきます。進行が緩やかなため気づかない人もいます。

滲出型加齢黄斑変性の3つの病態

  • 典型加齢黄斑変性(t-AMD)
  • 特殊型加齢黄斑変性
    • ・ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)
      日本人に多い
    • ・網膜血管腫状増殖(RAP)

滲出型加齢黄斑変性症の治療

これまで加齢黄斑変性は不治の病とされ有効な治療法がありませんでした。
しかし近年、脈絡膜新生血管が発生する滲出型加齢黄斑変性に対しいくつかの治療法が確立されてきました。
これにより多くの患者様で視力の維持や改善が得られるようになってきました。

  1. 抗血管新生療法(当院でおこなっている治療です)
  2. 光線力学療法(PDT)

現在、この2つがメインの治療法になっています。